意味になったもので

過去に連載をしていたこともありますが、語源を知るというのは語学力プラス知的に楽しいプロセスになってくれます。

クレジットの語源は?

「クレジットカード(credit card)」でよく知られる credit という言葉はラテン語の「信じる」という意味の動詞credere という動詞の過去分詞から生まれた言葉で、「信じられること」から「信用できること」の意味になったものです。

現在では一般に「信用」「信用貸し」などの意味がよく知られていますが、映画などの配役字幕などを「クレジット・タイトル(credit title)」 というように「製作者、提供者を明らかにする」といったような使い方もします。

そこで「債権者、貸主」のことを「信用貸しした人」ということから creditor という意味になります。金融関係の人から「クレジット・ライン(credit line)」という言葉を聞きますが、これは「信用供与限度額」のことです。これは新聞、報道などでの「情報提供者」の意味もあります。

この他よく使われる派生語に 「credulous(信じやすい、だまされやすい)」、名詞形の 「credulity(だまされやすさ)」があります。直接の形容詞は 「credible(信じられる)」ですが、否定形の 「incredible(信じられない)」のほうが、「スゴい!」などの意味で、会話で連発されていますね。

また、キリスト教に詳しい人、バッハの宗教音楽などが好きな人でしたら credo という言葉をどこかで聞いたことがあると思います。これは「ミサ曲」の最初に歌われる条文で、一般に「クレド」(使徒信条)と訳されているラテン語で、「私は信ずる」という意味の活用形です。現代英語では creed と呼ばれているものです。