彼女はたしかに社会


安室奈美恵の楽曲で知っているものは、結婚式でよく唄われるらしい「きゃん、にゅー、せれぶれ~♪なんちゃらかんちゃら」、NHKがリオ五輪報道で耳にタコが出来るくらい使用した月租酒店、あまりにしつこく使うので音声を消した覚えがある「きみだけの~ための~ほにゃほにゃら~~♪」と歌う、どちらもタイトル名など知らない知る気もない2曲だけ。
総論的には、20年前に「アムラー現象」とやらで教祖的に祀り上げられたアイドル だった、くらいの知識しかないのはそれだけ関心も興味もなかったし今も同じ。
ここ数日、彼女の楽曲を使用した関係もあってかNHKまでが定時のニュースでトップに近い扱いで、彼女の引退狂騒をはしゃいで報じている。
朝鮮半島南北会談や米中間選挙といった日本の将来に大きく関わってくるニュースをさしおいて中國公證
あえて「たかが」という。たかが一芸能人をここまで大々的に取り扱うとは呆れた話である。
彼女はたしかに社会的現象となったが、もう20年も前のことで、ファン以外の人間にとっては「ああ、そんなのいたな」な存在でしかない。
民放のワイドショーならいざ知らず、仮にも公共放送局の報道である。かくも時間を割いて芸能ネタを流す必要がどこにあるのだ?受信料を払っているのがバカらしくなってくる。
一昨日の沖縄で開催されたラスト コンサートでは、日本全国からファンが集結、チケットが買えずとも音漏れだけでもいいという、安室奈美恵の去就などどうでもいい者から見ればなんとも酔狂な人たちが10000人も集まったという。
なんでも、昨年に芸能界引退宣言してから買東京樓、引退のその日までに彼女に関するメモリアルグッズや映像メディアなどの総売上が200億円を超したというのだから、それでそれでたいしたものだと認めるにやぶさかではないが。
こうした「もうすぐやめる。私を観られるのはのは今のうち」と言わんばかりのいわば「引退商法」、私は「これは大阪は西天満にあったあの靴屋とやっていたことと本質的には同じではないか」と思いあたり少しく笑ってしまった。mouakan
蛇足ながら書く。コンサート会場であった宜野湾といえば辺 野古を連想し、そのどちらも本土の傲慢と偽善を押しつけられてきた場所である。
今なお後者には駐沖米軍基地反対派がこれもまた本土から多数参集している。
総裁選討論会で相も変わらず曖昧で非論理的な議論(のレベルにもならないが)に忙しい安倍晋三氏にすれば、アイドルのラストコンサートに蝟集したような層の方がもっと増えれば、 軍靴の音漏れも聞き逃すに違いないとほくそ笑むことだろう。