戦後を代表する

若くあかるい 歌声に
雪崩は消える 花も咲く
青い山脈 雪割桜
空のはて
今日もわれらの 夢をよぶ

古い上衣(うわぎ)よ さようなら
さみしい夢よ さようなら
青い山脈 バラ色雲へ
あこがれの
旅の乙女に 鳥も啼く※

終戦から四年後に発表されたこの歌は、戦後を代表する名曲といわれています。なぜそうなったのか。それはこの歌が、新しい未来に進むときに生じる、恐れや不安の感情を払拭し、希望を強めてくれたからではないでしょうか。暗い戦争がやっと終わり、新しい民主的な時代が始まったものの、それまでの価値観を転換する葛藤は、筆舌に表し難いものがあったに違いありません。そんな当時の人々の戸惑いと希望を想像しながら、あらためて聴いてみると、詞がメロディーの乗って、力強く胸に響いてきます。きっと多くの日本人が、この歌に背中を押されたことでしょう。どんな演説を聴かされるよりも。
変わりたくても変われない時、是非この歌を聴いてみて下さい。